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フェルールの取り付け
一連の行程に於いて、一番神経を使うのがこのフェルール接着と塗装作業だと思う。
なぜなら少しでもセンターバランスを崩して取り付けてしまった場合、以降のセクションが小枝の様に曲がってしまい、折角曲がり直しで労力を使っても全てが水の泡と化すからである。
1,フェルールの接着あと
接着剤が一方向に傾き(写真で言う下側)、まんべんなく塗り固められて無い事が良く判る。
2,接合部の再研磨
フェルールは、極力取り付け部の対面幅に近い内径のものを選択する。
ユルユルのガバガバになってしまうので、間違っても対角幅を計らない事が肝心である。

写真の作業は、前項の偏って変色してしまった硬化接着剤をブランク表面ギリギリで除去しているところ。
ドリルチャックに差し込み回転させると、正確な円に仕上げる事が出来る。

ブランクを割る可能性が有るので、チャックの閉め過ぎにはくれぐれも注意の事。
3,2の作業で蘇ったジョイント部
外径レベルを均一に仕上げた理由で、フェルールの通りが格段に良くなった。
でもちょっと緩くなっちゃった気もするけど...
4,埋め込み寸法の最終確認
ティップ側とバット側の仕舞い寸法が合っている事を確認する。
特にブランクの埋め込み部分については、深すぎると対のフェルールに衝突して上手い具合に噛み合わず、浅すぎるとキャストによってかかる力に負けて根本から折れる可能性有り。
5,エポキシ・接着剤
現在市販されているエポキシ系の中で、とりわけ強烈な強度を誇る逸品。
硬化開始は1〜2時間、完全使用に耐えるのに約一昼夜の時間が必要。
6,接着作業
基本的にはフェルールの内側に適量の接着剤を塗ってブランクを押し込む方法を取るが、若干ブランク・フェルールの寸法が合ってなかったので、 取り付け作業を行う前にエポキシでシールドを施す。
硬化に1日待ち、完全に乾いた状態で再び2,の作業を行い、埋め込み部分の肉厚を上げた。
7,センターキープで硬化
フィニッシングマシンを利用して回転させながら硬化させる。
接着角度をより水平に保つ為だ。

接続部分がぴったりと加工されている時は、回転硬化は不要。
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