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2004年11月13日〜17日
北海道忠類川 サーモンフィッシング



初日(11月13日)




この秋、密かに計画していた「カナダブリティッシュコロンビア州のキャンベルリバーへ溯上するキングサーモンを釣りに行っちゃおう」(<長い) なる釣行が仕事の都合で実現できなくなった。
まぁ、8月の時点で9月・10月納期の仕事を結構抱えていたので、絶対カナダになんか行けないとは思っていたが、やっぱりぽしゃるハメに...
ツアーを使うつもりは無かったし気の向くままの単独行動を考えていたので、やめたところで誰に迷惑をかけるわけでは無いのだけれど、 予想していた事とはいえ、今シーズンをまるまる棒に振った悔しい思いが後を押して、北米釣行モードを直ぐに頭から取り去る事は難しいのであった。 こうなりゃ絶対に何処かへ出掛けたい。
んだったら、別の場所で且つ限られた時間でこの欲求を何とか満たしてくれるフィールドってないもんぢゃろか?と考えて見たわけさ。
”灯台もと暗し”とはこの事である。わざわざカナダやアラスカまで出向かなくても、国内でもダイナミックな釣りを楽しめる場所が有るぢゃぁ。 現在サーモンフィッシングが可能な国内河川の中で、カナダやアラスカを思わせる北米のロケーションにどっぷりと浸って釣りが出来るフィールドと言えば、 もう”忠類川”しかないではないか。
ちょうど今は10月初めで、第4次の調査員を募集している最中だ。こりゃラッキーとばかりサイトの応募ページに有ったボタンを思わず押してしまった。
ハイ、忠類川釣行決定!

JALのマイレージポイントが鬼のように貯まっているので、当初はタダチケットを利用して出かけるつもりだったのだが、 調べてみると日本航空は中標津へは乗り入れしてないらしい。 だからと言って釧路に降りたんでは、移動に片道2時間以上もかかってしまう。そんな時間は勿体ない。ちょー早く行ってちょー早く釣りがしたいワタシとしては、 多少の出費には目をつぶり素直に中標津空港を利用するのが吉ってもんでしょう。
全日空を使うべ。
以前1日2便が運行されていた羽田→中標津間は、現在11時10分発の1日1便に変わった模様で便を選択する余地など無い。 是が非でもこの便に間に合うよう空港に着かなければならんちゅー事だ。
出発当日に甲府を発つと乗り遅れる可能性が有るので、余裕を持って羽田入りするため前日何処かのホテルに宿泊すると決め。(<なんちゅー)
タダで泊まれる横浜の実家も選択肢の1つだが、なんだかんだと説教を喰らうのはかなわんのでこの案は捨て。^^;
で、ん?横浜?どうせだったら昔入り浸っていた中華街周辺のバーでゆっくり酒飲むのも悪くないなぁ、なんていつの間にやら宿泊目的が酒へと変わり...
中華街の近隣で気の利いたホテルといえば、もうニューグランドしか無いでしょう。ここは近年新館が出来て近代的な建物になってしまったのは残念な事ではあるが、 今でもレトロ調の本館は健在なり。予約の際、本館と新館の客室のどちらが希望かと聞かれたが、迷わず本館の旨を伝える。
このホテルニューグランド本館をはじめ、赤レンガ倉庫、横浜税関、横浜開港資料館、横浜郵船ビル、歴史博物館等々々々の建築物は、 古き良き時代の横浜へタイムスリップ出来るこの街の横顔でもある。
この日の晩は酷かった。飲み過ぎじゃちゅーねん。
午後7時半、チェックインを早々に済ませると、メシも食わずに懐かしのバーに向かう。
最初に顔を出した MINTON HOUSE は圧倒される程のLPレコードが客を出迎えてくれるジャズバー。 レコード表面のほこりや静電気が奏でるクラックルノイズがこれまた臨場感を醸し出していて宜しい。 2軒目は、馬車道十番館2階の小さなカウンターバー。10人が座るともう店内は一杯になる小さな飲み屋。 3軒目は、中華街に戻ってウィンドジャーマーの姉妹店ケーブルカーへ。ここは朝5時まで営業しているアメリカ人オーナーの洒落たショットバー。エスカルゴが絶品! 未だかつて数知れず連れて行ったおねいちゃんで、このエスカルゴをまずいと言ったヤツは誰一人いなかったゾ。 他にも店オリジナルカクテルの「イエローサターン」「デザートムーン」がお奨め。
トータル30杯近くを平らげ、ホテルに戻ったのは明け方の3時であった。
13日、8時起床。
うぅ、おいらにポカリを...
やっぱしこうなるんぢゃないかと思ったんだよなぁ。結構調子ブッこいて飲んじまったからなぁ...
与太つきながらホテルを出るが、予めメインの荷物は標津町のホテルに送ってあるので、ショルダーバック1つの出で立ちは身軽で快適そのもの。
二日酔いの旅はこうでなくては。わは。わは。
横浜駅では京急改札脇にある立ち食いそば屋になだれ込む。飲み過ぎた時はやっぱし汁もんが一番。水4杯に天玉そば1杯を流し込み羽田へ向けてGo。
京急は空港真下まで乗り入れられているのでアクセスは文句なく楽なのだが、乗る車両をいっぽ間違えると途中切り離されて、 品川とかの都心方面へ行っちゃうので気を付けねばなんねーよ。
離陸用の滑走路は、飛び立つ順番を待つ飛行機で数珠繋ぎ状態。我の機が飛び立ったのは定刻から30分も過ぎた頃だった。 その影響で、予定より遅れること20分で中標津空港に到着。
タラップを降りると、キリリと冷えた空気が身体を包む。北海道さみ〜っ、中標津さみ〜っ。腰痛くなってきた。
午後1時過ぎの気温は4度。雪こそ積もってないもののこれでは寒いわけだ。昨晩の横浜はちょっと動けば汗ばむ陽気だったのに、いきなりこんなんぢゃ身体が壊れそう。
到着ロビーを出ると、オリックスレンタカーのおねいちゃんがワタシを出迎えてくれた。「はらだ様ですか?お待ちしておりました。」うゎお、笑顔がいーねー。 この会社を選んで正解だったかも。(^^)
その場で事務手続きを済ませ、さっそうと車に乗り込む。
それにしても、備え付けのカーナビはCD-ROMのデータを読むタイプらしく、おっせーのなんのって。 日頃自分が使っているのはハードディスクナビなので、その違いが歴然。
あっ、別に自慢をしている訳ではないのだけれど...
何はともあれ、さーて行ってみっかし。宿泊先もメシもあとあと。もう気持ちが先走っちゃって釣りの事しか考えられない状態なので、 何処へ行くよりも先にまずは忠類川へ遡上の様子を見に行きたい。
ここ中標津空港から忠類川へは30〜40分の距離だ。

待っとれ〜、シャケ!

北海道特有の単調な国道をひたすら走る事20数キロ、海岸線にぶつかると左沖合には知床連山、正面に国後、 右前方に野付半島を見渡せるこの町が鮭の漁獲高日本一の標津町。
更に10分程海岸線を北上し、午後3時、やっと目的の忠類川に到着。
国道脇の忠類橋に車を止め、わくわくしながら流れをのぞき込むと...目に入ったのは単なる川の流れだけ。
はあ?シャケわよ?シャケ。れれれ?シャケは?
ビッグワンがしぶきを上げて上流に邁進する光景しかイメージしていなかったが、よく考えるとやはり11月も半ばでは、全盛期のような光景は期待出来ないようである。
「見えないから釣れないってな理屈は成り立たんではないか」。冷静なもう1人の自分になだめられながら、本日の釣果を確認しに第一管理棟へ立ち寄る事に。
ちょうど川から上がってくる釣り人の数人に出くわす。状況を行くと一様にシブいご様子。
棟内のホワイトボードには「本日のべ10名入渓、釣果14尾」と記載されている。ううむ...ならして1人あたり1.4匹って計算か。 この数字ってどう判断すればよいのか悩むところではあるが、14尾が上がった事実だけを受け止めよう。釣れて無いわけでは無いのだ。

明日からの釣果に不安を覚えながら、滞在期間中お世話になるホテルへと向かう。
【 翌日(14日)へ 】